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イエスタデイのYのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2014年製作の映画)
3.5
イギリスのロックバンド、ザ・ビートルズが世界中を席巻していた1960年代、ノルウェーの首都オスロにもその熱波は届いていた。オスロの高校に通う仲良し4人組は、初めてザ・ビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を聴き、魂を揺さぶられる。彼らは早速「スネイファス」というバンドを組んで、ザ・ビートルズのようにビッグになりたいと願う。
私は『シング・ストリート』や『グッバイ・サマー』のようなバンドモノや青春モノが大好物だ。
この作品も学生がバンドを組むということから『シング・ストリート』と通ずるものがあるのだが、この作品に登場する学生たちはみな平凡なのだ。
ずば抜けた音楽センスもなければ、バンド活動にそこまで熱心なわけでもない。いたって普通の高校生と言ったところ。
それにこの作品はバンドとしての活動というよりも、主人公の恋模様を描いている。
偶然映画館で出会った女の子にキムは運命的な出会いと言っていたにも関わらず、転校してきた女の子をすぐ好きになるのはいかがなものかと思ったが、そこもまた影響を受けやすいただの高校生なのだろう。
平凡とは言ったものの、この作品に描かれた青春の方が身近で、誰のもとにでもあった青春ではないだろうか。
全部が全部うまくいくわけじゃない。ときには失敗して落胆し、ときには道に迷うこともある。だけど信頼できる仲間たちがいればそんなの全部平気なのだ。
セシリアををキムが追いかける終盤のシーンで流れる『Let it be』も最高だった。
ところでヒロインのセシリアを演じている女の子。誰かに似ている……誰に似ているんだろう。あの挑戦的な瞳、ニヤッと片方だけ上がる口角。そうか、エマ・ワトソンにそっくりだ。彼女の表情の作り方次第ではエマ・ワトソンにしか見えなくなった所もあるくらい。
ビートルズに憧れた4人の平凡な日常ということもあり少し退屈になるシーンもあるかもしれないが、気の利いたセリフや演出も多く飽きずに楽しめた作品でした。
当時のファッションが楽しめるのも魅力。
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