つかれぐま

アナイアレイション -全滅領域-のつかれぐまのレビュー・感想・評価

-
<美しく知的に描く異世界>

理解不能な「不自然」を、安直に「悪」としない語り口が知的好奇心を刺激する。「この異世界を受容できる?」そう問いかける本作は、監督の前作「エクスマキナ」同様に微妙な後味を残す。

(高度な知能や、侵略の意図もなく)単純に細胞レベルでの増殖分裂を繰り返すだけの超合理的「訪問者」。対峙した主人公レナは、生物学者としてその「優生」を認めざるを得なくなり・・。彼女の不倫衝動は、異なる遺伝子を求めた潜在意識か。

ただの雰囲気SFではない傑作。