アノン

アナイアレイション -全滅領域-のアノンのレビュー・感想・評価

4.0
考察すればするほど面白い映画。さすが"エクス・マキナ"のアレックス・ガーランド監督作だなって思った。

友達に勧められて観たから「クリーチャーが出てくる」ってことしか知らなかったけど、ただのSFクリーチャー映画では無い。

前任の部隊が失踪、戻ってた旦那が記憶喪失、謎だらけの領域"シマー"。とにかく面白い要素満載で、謎が謎を呼ぶ脚本とテンポ良い展開。

謎の生物や前任の部隊が残したものなど、物語が進む中で一定のゾクゾク感がある。

また世界観や美術にも圧倒された。青々と生い茂る草や美しい花の中に取り残された廃墟や、その廃墟を蝕む色とりどりの何か。謎に鮮やかで美しいもの=気味悪いってのが最高。しかも死体までも芸術点が高い。壁に広がる死体って新しいし、新生ハンニバルって感じ。

そして全てを明確にしない点が良い。ラストは色んな考え方ができる。あるサイトで今作は根本にキリスト教が深く関係していると考察してあって、私はその考え方にめちゃくちゃ納得できた。その線で考察すると今までの伏線やラストのナタリーの目についてもしっかり筋の通った説明がつくし、感嘆レベルのゴール。気になった方は鑑賞後に一度、ググってみてほしい。

全然万人受けじゃないけど、好きな人はとことん好きな映画だと思う。
アノン

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