正体不明の光で覆われた自然区域"エリアX"を舞台に奥地に進む探検家たちの顛末を描いたSF映画‼科学的な境地が魅せ場のサバイバル要素より大幅に上回り事前に予測していた作品とはだいぶ異なった。いわゆるシンプルな探検サバイバルものではない。原題の「Annihilation」は直訳で"全滅"。ナタリー・ポートマン主演という目線でもベールに包まれたかなり辺鄙な作品ではないだろうか。序盤で失踪した夫が帰還してそのまま別の探検家たちが再調査の名目で同じエリアの奥地へ調査に身を乗り出すまではよかったが続くその後の展開は難解な議論と重たい雰囲気で煙に巻いた感がある。沼地で登場する巨大ワニや変異した大熊などクリーチャーたちの存在もかなり凶悪なものである。欲を言えばそこのバリエーションを多様に増やしてもっと大自然の脅威を直球で描いて欲しかった気持ちがある。野心的な環境保全を訴え掛ける作品ではあるがカオス理論的な構想へシナリオを複雑に結び付けてるため素直に物語を楽しめなかった。
