Jin

アナイアレイション -全滅領域-のJinのレビュー・感想・評価

3.5
“ほとんどの人間は自殺ではなく自己破壊している”


Netflix作品。「エクス・マキナ」のアレックスガーランド監督の映画。
一年ぶりに軍の任務から帰ってきた途端、夫が昏睡状態に。突如現れた謎の領域”シマー”の謎を解くべく女性たちの探索チームが領域に踏み込む話。

ディストピア的なSF世界観はさすがアレックスガーランド。
そして、虹色を多用したプリズム的な色彩感はこの映画の特徴でもあるけど、なんとなくNetflix映画全体の特徴でもある気がする。


宇宙からやってきた、突然変異と時間感覚の抹消される部屋っていう、ものすごくワクワクする入り口から、段々難しくなっていく。

細胞は自己破壊を引き起こすことがあって、それは生物の常である。人間の行動にもそれが反映して、自傷や浮気をする。
なるほど。

では、細胞分裂を急速化して、細胞分裂の限度をなくし、かつあらゆる生物の細胞が分け隔てなく組み合わさるとどうなるのか。植物は人間の形を持ち、自己破壊する人間は自然の一部となって死ぬ。
うーん難しい。

そして最後は宇宙人との対面。相手に目的はなく(おそらく新しいものを作ることが目的?)模倣する彼らと人間。
結局これってエクスマキナと同じ疑問なのかな。人間らしさって思考?身体?どちらなのでしょうかっていう。

でも結局、消したと思ったシマーの突然変異な世界は広がっていくっていうディストピア感。ちょっと難しく広げ過ぎちゃった感じがする。

シマー内の生き物たちとかはすごくワクワクして面白かったし、暗いSFは良かったけども。
Jin

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