Machiki

アナイアレイション -全滅領域-のMachikiのレビュー・感想・評価

4.0
疑問を視聴者に投げかけるようなホラー要素の効いたSF映画。

セットデザインや映像は、奇妙で不気味なんですけど、同時に美しかった。
悍ましいシーンもあるけれど、心打たれるシーンも多い作品。

SF好きにはオススメします!


※ネタバレ↓


Annihilaonの意味を調べてみると、全滅の他に、物理学の対消滅も意味しています。
対消滅とは、粒子と反粒子が衝突し消滅して、他の粒子又はエネルギーに変換される現象。
そう考えると、この現象がそのまま、この映画のストーリーのヒントとなっている。

ラスト
主人公とケインの夫婦関係は、物語のキーとなります。それを表すように劇中になんどもフラッシュバックされます。
ケインは妻の浮気のショックで危険な任務に敢えて志願します。それは、自己破壊行動です。ケインを調査したヴィントレスが「自己破壊は誰でもする。何らかの形で」と言っています。ケインはエリアxで死んでもいいと思っていたのかもですね!
帰還したケインは外見は一緒でも、まるで別人でした。
一方主人公は、夫に借りがある為、ケインを救う為志願しました!それは夫婦を再生する為の行動です。
このように主人公とケインでは動機が違います。
シマーはすべてを反射するので、ケインは破壊行動を、主人公は再生願望が反射されたという事。
破壊と再生の象徴でもあるウロボロス(シマーの全てを反射するプリズムの効果によって、アニャの体から主人公の体に反射したタトゥー)もそれを暗示している。
主人公の体はシマーの細胞分裂は無限である為、不老不死になったと思われるが、今のケインとの関係は、屈折した再生であることから、シマーはガン細胞のように、地球全域に広がっていくのかもですね。


凄くワクワクする作品だったんですけど、生物学者の元軍人。物理学者。医療班と編成が学者よりなのにもかかわらず、装備が軍人よりである事。
チームが女性だけの5人だという事。
地球上といえど、未知の領域。学者が対ウイルス等の防護系装備もせずに入りますかね?
あとナタリー・ポートマンの演技は、相変わらず素晴らしいですけど、軍に7年在籍した人の銃の持ち方ではなかったですねw
B級映画といえど惜しい。
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