ゆず

SING/シングのゆずのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
3.7
私は字幕で!(←みんなどちらで観たか書いてるので)

夢を追い続けることの大変さ、傲慢さ、そして素晴らしさを伝える作品。バスター・ムーンというコアラの壮大な夢物語に巻き込まれた夢追い人たち。彼らはそれぞれに何かしらの問題や不満や夢を持っている。家業と夢の間で揺れる少年、アガリ症で歌えない女の子、恋人との不仲に悩む女、日々の生活に疲れた主婦、金と名声を求める男、そしてピッギー・パゥワァーーーォ!!!!!彼らのそれぞれの悩みが、ステージで歌うことで、そのステージを作り上げようと努力する中で、少しずつ解消され人生が花開いていく…という展開がベッタベタだが面白い。もちろん主人公バスター・ムーンの物語がメインにあり、夢を叶えるためなら他人の迷惑顧みないようなその行動の数々を見るにつれ、少しずつ彼の夢の応援者になってしまっていた。彼がゼロからの再起を図るシーンは、物凄く笑えると同時になんだかとてもほっこりする名場面である。身勝手な男かもしれないが、彼と彼の友人との友情を否定することは私にはできない。

憎まれ役が憎まれ役のまま去っていったのがちょっと気になるが、続編を見越してのことだったのかもしれない。まあ続編にもトラブルメーカーは必要だろうし、それが1作目からの古参ならば面倒臭さも一際だ。そういえばメインキャラにはなれなかったが、やたらと出しゃばるウザカワイイ五人組も出てた。この作品の登場人物たちは、現実がそうであるように良い奴ばかりではない。そして見た目の愛らしさと性格は必ずしも一致しない。
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