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SING/シングのTEPPEIのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
3.6
ユニバーサルのアニメ映画部門は「怪盗グルー」シリーズで一気に不動の人気となったわけだが、そのどれもが子供の心を鷲掴みにする痛快さとユニークさを兼ね備えている。怪盗グルーの次にシリーズ化が決定した「SING」もその年に公開されたディズニーの「ズートピア」と同じく、動物たちの住む世界を舞台にしたミュージカル大作である。さすが配給、製作はユニバーサルとあってユニバーサル・ミュージックの下、既存のポップソングとオリジナルのスコアが痺れる。結果世界中でその斬新さが評価されて大ヒットとなった「SING」は壮大なミュージカル映画ではなく、壮大なミュージッククリップといった方が妥当だろう。まずユニークなキャラクター達は見た目や言葉遣いに特徴はあるが、登場キャラが多いせいか中身までは行き届いていない。良く言えば面白い、悪くいえば表面的なキャラクターたち。やっぱりそのへんディズニーの脚本の作り込みは上手い。「SING」はとても笑える、ポップな場面に溢れておりユニバーサルアニメ映画が改めて良いものだと思わせてくれる。より身近、より現代的アレンジが施されているがアニメ映画は意外と身近じゃない世界観とオリジナル性あってこそもっと面白くなる。アニメは子供のためのもの、という解釈は宮崎駿によるものだが決して子供だけ楽しませるもの…というわけでなく、純粋な画と楽しみを1番感じさせなくてはいけないターゲットという意味である。僕が少年期に「白雪姫」や「AKIRA」に釘付けになったことは今も変わらない。恐るべしと思う一方、こうして気軽に楽しめる「SING」もひとつのアニメ映画というよりかはひとつのテレビムービーやミュージッククリップと位置づけに至った。
豪華声優陣たちの迫力ある歌声を堪能するだけでも楽しめる。
総評として可愛くてユニークなキャラクターが揃って、なおかつノリノリな「SING」はインパクトには欠けているが普通に笑って楽しめる作品。
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