しぇんみん

SING/シングのしぇんみんのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
3.9
"ただ歌えば良いんだよ"

諦めずに前に進むことの大切さ。

そこは動物たちが人間のように暮らす世界。

自分の劇場を持つという夢を叶えた、コアラのバスター。

だが、公演はなかなか当たらず、経営難の劇場を救うため、歌のオーディションを企画する。

オーディションには個性豊かな面々が集まり、合格者が粗方決まった頃...。

金額を間違え、破格の賞金10万ドルでチラシを作製していたこが発覚する。

金策に困った彼は、親友であるヒツジの資産家エディの祖母ナナにスポンサーとなってもらうよう画策する。

何とか漕ぎ着けたリハーサルだが、予期せぬトラブルが発端となり、混乱した劇場に一大事件が起きる。

落胆し自暴自棄になるバスターだが、そんな彼の耳に美しい歌声が届く。

声の主は、彼のアシスタントとして働いてくれていた、ゾウのミーナだった。

その歌声のお蔭で以前のようなやる気を取り戻した彼に、起死回生のチャンスが訪れる...。

個性豊かなキャラクターたちの生き生きとした演技と歌声は、素晴らしいの一言。

・バスター[コアラ:男性]:見栄っ張りで適当だが、すべてがポジティブシンキング。
・アッシュ[ヤマアラシ:女性]:彼氏とパンクロックのライブを行なっている。
・ジョニー[ゴリラ:男性]:ギャングファミリーから抜け出したい若者。
・ミーナ[ゾウ:女性]:極端な恥ずかしがり屋。だが、その歌声は人々を魅了する。
・ロジータ[ブタ:女性]:サラリーマンの妻として、25匹の子豚を育てている。
・マイク[ネズミ:男性]:サックスの路上ライブで小銭を稼ぐ自信家。歌もうまい。
・グンター[ブタ:男性]:キレッキレのダンスパフォーマー。

特に日本語吹き替えの面々は、バスター役の内村光良を始め、役のイメージがピッタリだった。

そして、メインのキャラクターたちの背景をしっかりと描き、今の生活を改善したいと願う彼らの成長を描いた内容は好感が持てる。

ただ、説明不足になっている点も多く、そこが残念。

ジョニーのピアノ技術習得の過程やら、ロジータの育児マシーン作成行程やら、もう少し丁寧に描いても良かっただろう。

でも、ラスト間際の公演で披露される、彼らのショーは最高だ。

多くは書けないが、ストーリーラインで彼らが歌う理由を丁寧に描くことが、そのショーを盛り上げる一因となっていることは間違いない。

このシーンを観るだけでも価値があると思う。

完膚なきまでに叩きのめされても、挫けず進もうとするバスターの姿は、諦めずに夢を追い続けることの大切さを教えてくれる。

素晴らしいショーを是非とも堪能してほしい。

ハナマル!

2018/10/07
しぇんみん

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