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SING/シングのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
3.6
アニメーションも映画界を盛り上げる大きなジャンルの一つです。

今となっては、ディズニーやピクサー、ドリームワークス・アニメーションが3DCGの技術を躍進させ、ますますハリウッドアニメーション界の勢いを増していっている気がします。

そんな中、イルミネーション・エンターテインメントという新鋭が、ユニバーサルスタジオという巨大な勢力を伴て、待ったをかけている!

日本人の皆さんはご存知、ミニオンの会社ですね。大阪のUSJにもミニオンパークができたほど、今はまさに破竹の勢いのあるアニメーション会社です。そんな会社が、2016年に満を持して作り上げたのが、この作品SING。

多くの人がもう見たことがあるかもしれませんね。恥ずかしながら、私は今日が初見でした。。。
どんなアニメーション映画を見てみても、話の流れというものはほぼ一緒。それは、アニメーションに限らず、実写映画であっても95%は同じストーリーといっても過言じゃないんじゃないでしょうか。
それでも、こんなに毎回一喜一憂できるのは、やっぱキャラクターですよね。アニメーションは特に、ファンタジーを描くことが目的だから、キャラクターというのは一から作り上げていくもの。単純に、身長、体重、目の大きさから、髪の長さ、そんな細かいところまで考えることができるのがアニメーション映画のキャラクターの特徴。

だれもが、こういう会話したことありますよね?
「ディズニーキャラクターの中でどれが一番好き?」 実写版でいう感情移入とかとは少し違うのかもしれませんが、根本的なところはつながっていると思います。小さいころ、人形にしろ、ロボットにしろ、それらを使って遊んだことは誰もがあるはず。
その感覚というものは、大人になるにつれて奥に沈んでいくにしても、我々の感性を支えていることは間違いない。
そういった、現実とは大きく離れた世界にいるキャラクターに、夢を見るのは自然なことですよね。

さて、今回の作品SINGですが、なんといっても素晴らしかったのは潔さ。予算の15%、85億円を劇中で使われる楽曲の権利取得に使ったのだというから、驚き。ディズニーピクサーにはできない芸当のような気がしますよね(笑)

最後の20分間は本当に圧巻でした!
なんだか初めての感覚。アニメーションだからできる、完璧なコンポジションのミュージックエンターテインメントというのは本当に今までなかったんじゃないでしょうか。
最後のショーの構成を元に、それぞれのキャラクターたちキャラというのが作り上げられているんじゃないかと感じました。

アニメーションとしては、既視感は否めなかったにしても、他のプロダクションにはできない、後半への設定の絞り方はみていて、とてもワクワクしました!
最後のショーなんて、実際動物じゃなくても100%成り立つものだと思いませんか?だって、ただ既存の曲をめちゃくちゃかっこよく歌ってるだけですから。

でも、その設定を捨てる潔さ。そこまでで、キャラクターは視聴者の頭で作り上げられている自身があるから、最後のショーではあえてその設定を無視して、より我々の現実世界に近いムードだったりトーンだったりを使っている。そうすることで、最初は遠く遠く離れた、ファンタジックな世界観だったにも関わらず、どんどん我々の世界との隔たりがなくなっていき、最後の20分間は、動物たちの歌唱に全く違和感を感じず、むしろかっこいいと感じてしまうほど。

見事なストーリーとキャラクターアークの組み合わせだったと思います!

見終わってから、ふと思ったのですが、ミュージックビデオはもっともっと大きくなりうる。ライブとはまた違った次元でアーティストの楽曲を視覚で楽しませるものは、必ず今後来る。
とくに、アイドルだったり、パフュームだったり、きゃりーちゃんだったりのプロジェクトは必ずそちらに向く気がする。
2時間程度の音楽作品というのはライブ映像以外で今までないんじゃないだろうか。ミュージカルとはまた違う、すでにファンの間でキャラクターを知られたアーティストたちが、構成された演出で楽曲を表現する。

結構興奮するレベルでおもしろい企画ができた。