リッキー

SING/シングのリッキーのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
2.0
875本目。
評判がよい作品だけに,期待して鑑賞しましたが,見事に裏切られました。
主人公のコアラは父から受け継いだ劇場の再建に向けて奮闘しますが,私にはコアラの身勝手な行動が理解できません。電気は盗むは抵当に入っている劇場を無断で使用するはと,子供も鑑賞するというのにモラルがなさすぎます。

また,動物たちそれぞれのエピソードが弱いのが残念です。そもそも動物たちを使う理由がわかりません。動物だからこそのエピソードがあれば少しは理解できますが,皆無です。皆問題をかかえながらも夢をあきらめられず,オーディションに挑むという設定なのでしょうが,中途半端な物語となっています。動物をモチーフとした「ズートピア」が成功したため安易に真似てしまったのかな。

最近鑑賞したアニメ映画でメッセージ性のあるディズニーの「ズートピア」,ピクサーの「リメンバー・ミー」などと比べてしまうと完成度は雲泥の差を感じます。完全にお子様向けで幼稚な内容です。

この映画は歌が見せ場のはずですが,使用されている曲もポップスを中心とした選曲となっており,劇場向けの曲ではないように思いました。
もちろんスティービーワンダー,ビートルズなど一部壮大な曲もありましたが,制作当時のキャッチーなヒット曲を上手に歌って,本当に観客の心をつかめるのか疑問です。テレビで放映している外国人のど自慢を観ているような印象です。この劇場だったらアポロシアターを想定してモータウンサウンドを多用した方がスケールもあり格調が高く,心に響くような感じがします。

評価すべき点はユニバーサルスタジオのためCGのアニメーションは繊細できれいなことぐらいでした。映画としては全く心に響かずお粗末な作品で,時間を無駄にしてしまいました。
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