ざわ

ゴッホ~最期の手紙~のざわのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.0
一度は目にしたことがあるようなゴッホの絵が、あのままのタッチで動く素晴らしさ。キャッチコピーは「愛か、狂気か。」で、映画の内容も勿論だけどこの作業量も愛と狂気でしかない。

見た目の素晴らしさに目を惹かれがちだけど、内容も良質なミステリーだった。証言者全員の話すことが違っていて、結局ゴッホは何者なのか、なぜ死んだかを探す話。
私は特に中盤から引き込まれた。

話を聞いていくうちに、知らないはずのゴッホの人生を追体験することができる。その人生も一枚岩じゃなくて、白パズルが埋まるように少しずつ少しずつ全貌が見えてきて、医者の証言で最後のピースがはまる。

主人公は、一度も会ったことが無く、しかも序盤は嫌っていたゴッホを最終的に「友人」と呼ぶの良かったなぁ。それに「彼はもっと愛されるべきだった」とまで言わしめるほどの報われなさと博愛と自己犠牲と境遇その他諸々が個人的には宮沢賢治と似てるなと思った。
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