Mikiyoshi1986

ゴッホ~最期の手紙~のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.0
念願叶ってやっと最寄りのシアターでも本作が上映され、ファーストデイを狙って鑑賞してきました!

ゴッホの名画たちが動く、うねる!
あっ!この風景は!この人物は…!の連続で、垂涎眼福の美術絵巻がここに。
100人にのぼるアーティストにより、ゴッホの筆致に基づいて一コマ一コマを手描きで誂えたという途方もない労力にはもう圧倒しかされませんね。
リアルな動きで綴られる油絵アニメーションは、多分ロトスコープによるものでしょうか。

ゴッホ臨終の地である南仏アルルを舞台に、彼の最後の手紙から彼の死の謎を紐解いていくという、サスペンスタッチに仕上げているのもなかなか面白い。
田舎町のいかにもな疑わしい登場人物たちは、まるで金田一耕助や『暗殺のオペラ』の世界さながらでニヤニヤ。

銃弾により自ら命を絶った孤独の画家フィンセント・ファン・ゴッホですが、
主人公である郵便配達の青年アルマンは、はたして彼の死の真相に迫ることができるのか?

終着点があの名画のあのちょっとした人物に収まるなんて、もう脚本がニクすぎてロマンすぎて最高!!
死後の評価により、今や世界的な画家へと成り得たゴッホ。
社会に馴染めず変人扱いを受けたり、耳を切り落としたり、奇行で精神科病院に収容されてしまった"狂気の天才"もやはり一人の苦悩する人間であり、
芸術と安らぎと家族を(日本もね!)愛した心優しき孤高の男だったのでありました。
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