これは衝撃だ！全編ゴッホタッチの動く油絵！正確には回想シーンにモノクロの水彩画が入るので全編絵画の構成。しかも内容がゴッホの死の本当の原因を巡ったサスペンスで大人のエンタメしている。衝撃と感動を味わいながら、何なんだよコレ・・・って何度も思った。
油絵が動くだけで感動と驚きと少々の気持ち悪さ(観た事もない体験に眼がついていくのが、しんどいのだと思う)の連続。少し慣れてくると動きが凄く実写のようにリアルで、徐々に普通のサスペンスを観ている感覚になっていく、そして回想シーンのかなり実写に近いモノクロが入り、眼と気持ちが一呼吸と言ったリズムだろうか。
ゴッホは好きな画家の一人で展覧会で画をじっくりと観た事もあるけど、随分違った感覚だった。「糸杉と星の見える道」「カラスのいる麦畑」「ひまわり」「夜のカフェテラス」「アイリス」「ローヌ川の星月夜」などの名作が組み込まれている。主人公は「郵便配達人」の息子で黄色いジャケットを着た肖像画の「アルマン・ルーラン」。他にも「郵便配達人」「タンギー爺さん」などが出演している。ラストの星月夜が動いて渦巻きになっていくシーンを観ていると何だか泣けてしまった。
まあ観終わってあまり映画を観たような気分ではなかった。何か別物と言う気はするなと・・・・。実写映画のワンシーンでスタイリッシュにこの手法が使われるといいのでは？と言う感じもする。
映画通というよりは、絵画好きやゴッホ好き新しいアート好きにオススメ！
