Ryoko

ゴッホ~最期の手紙~のRyokoのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.0
約800点もの作品を世に残しながら、生前に売れたのはたったの1点だったというゴッホ。死後100年以上経ってから、こんな映画が作られるまでになったなんて本人が知ったらどれだけ驚いたことだろう。
ゴッホの死は本当に自殺だったのか?
生前のゴッホと関わりのあった(絵のモデルにもなっている)人々に聞き取りをするといアプローチの仕方が面白い。
孤独や焦燥感を抱えながら、描く場所を変え画法を進化させ、朝から晩までひたすら描くことに情熱を費やしたゴッホの執念が伝わってくる。お金がなくても心をすり減らしても描き続けることこそ、彼が画家であり続けるための生命線だったのだろう。

この映画を見て、黒澤明の映画「夢」(黒澤明が実際に見た夢を基にしたオムニバス映画)を思い出した。確かマーティン・スコセッシがゴッホを演じていて、主人公(寺尾聰)がゴッホの絵の世界に入り込んでしまうお話だった。黒澤明は、夢でゴッホに出会うほど、魅せられていたのか、芸術家として通ずるものがあったのか。なかなか興味深い。
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