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ゴッホ~最期の手紙~のカントのレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.0
ゴッホの死後、自殺の真相を探るミステリー油彩アニメ💡脚本優秀✨

ロシアの油彩アニメ「春のめざめ」には劣るけれど、100人以上の画家が6万2450枚の油絵で仕上げた労作として歴史に残る映画でしょう。
あの夜のカフェも、あのアルルの部屋も、あのオーヴェールの教会も麦畑も、郵便局員も医師もタンギー爺さんも、ゴッホの絵そのままに動きまわって物語を紡ぎます😌

▼日本で、ゴッホと言えば「ひまわり」に尽きますが……残念ながら、ひまわりもゴーギャンも一瞬しか登場せず。

▼なぜゴッホは、かくも有名で人気なのか💡
それは作品自体の強烈なインパクトと、「耳切り事件」やゴーギャンとの確執など、生前に報われず非業の死を遂げたドラマ性。そして死後100年以上経っても話題に事欠かないからです。
数年ごとに大規模なゴッホ展が開かれ、オークションでは最高落札価格の記録を更新中。芸術的側面の研究も活発で、昨年はゴッホ作品から128年前のバッタが新発見されて話題になりましたね。

ゴッホ後期の、フラクタルの様なうねる筆致は唯一無二で、ゴッホが凄すぎるので誰も真似しようとしません。
しかし初期~中期の、農村や農民を描いた作品は凡百に埋もれる作品なので、本作中にも登場しません。
ちなみに2003年に日本人の洋画家のコレクションが放出されて、その中に1枚の小品「農婦の横顔」があり1万円の値が付けられました……しかし、それがゴッホ初期の真作と鑑定された途端💡6600万円で落札されました😆✨
ゴッホ、スゲー😆✨✨✨

▼アルルの郵便局員ルーラン氏の息子アルマンは、父からゴッホの弟テオへの手紙を預かるが、既にテオは他界していた。
アルマンは父とテオを繋ぐ渦中の人、画家ゴッホの自殺の真相を確かめようとする。
医師ガシェの娘マルグリット。家政婦ルイーズ。ホテルの看板娘アドリーヌ。ボート屋の男。スクレタン兄弟。リゴーモン巡査。医師マゼリ。
自殺に使われた銃の謎。自殺だったのか他殺だったのか。結末やいかに。

▼ゴッホに関する書籍も毎年たくさん出版されていますね。近年では、本作と同じくゴッホの死の真相を劇的に脚色した「さよならソルシエ」と言う少女漫画が秀逸でしたよ😊

来年、2019年10/11から上野の森美術館で、また大規模なゴッホ展が開催されます💡
メトロポリタン美術館から「糸杉」が来日するので楽しみですね😌
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