湯林檎

ゴッホ~最期の手紙~の湯林檎のレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.4
これぞ新感覚アート映画🎨
まるでゴッホの絵としか思えない油絵が動き出し、ゴッホの生涯を描く映画なんてゴッホファンにとっては最高のファンムービーではないだろうか。2010年代でここまで手の込んだ手描きのアニメーション映画を作るということに製作陣たちの半端ない気合いを感じざるを得ないし演じた役者たちが見事にゴッホの絵画の登場人物として馴染んでいるのがまた面白かった。特に医者のロシェの娘マルグリット役のシアーシャ・ローナンは絵画になってもやはり美しい✨ 公式HPで実写での写真を見たけどちゃんと様になっていた。彼女にはこれからもコスチュームプレイ映画に是非出て欲しい。

劇中で主人公の青年が出会う人々の発言が食い違っており、観ているうちに本当のゴッホの性格は一体どんな感じだったのか自分でもよく分からなくなってきた。でもそれは一言で表せないゴッホの紆余曲折した人生と複雑な内面をサスペンステイストの回想話として表現しているのかと思った。それだけ彼のミステリアスな印象とサスペンスというジャンルは相性が良いのだろう。

個人的には本当に素晴らしく完璧な作品なんだけど満点じゃなくて☆4.4なのは私が特にゴッホが好きなわけでも思い入れがあるわけでも無いから😅これがもし、「カラヴァッジョ〜闇と光の生涯〜」みたいな感じで今作と同じ手法でカラヴァッジョの生涯が映画化されたら間違いなく満点をつけると思う (流血描写がエグそうだけど観てみたいw)。
だけど、映画作品としては非常に価値ある作品なので美術好きだけではなく多くの人に観てもらいたい作品だと感じた。
湯林檎

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