イチロヲ

白い娼婦 花芯のたかまりのイチロヲのレビュー・感想・評価

白い娼婦 花芯のたかまり(1974年製作の映画)
4.5
クリーニング店に勤務する青年(大野木克志)が、高級コールガール(山科ゆり)のドレスに触れたことを契機にして、背徳的な兄妹愛の世界に干渉してしまう。娼婦性に翻弄される青年の姿を追っている、日活ロマンポルノ。

前半部では、クリーニング店の青年のジタバタ模様と高級コールガールの「Let it go!」が並行して進んでいく。そして中盤部に入ると、その双方のストーリーが絡み合い、青年によるサディズムの覚醒と兄妹による性倒錯のドラマが動き出す。

顔面にアイロンをジュー、お尻に自転車のタイヤ痕をベッタリなど、青年の心境を表現するイメージ・ショットが効果的に使用されている。山科ゆりの身体に付いている、たくさんのキスマークも衝撃的(なんと、演出のために監督自身が付けたもの!)。

車椅子生活を送っている山科ゆりの兄(大江徹)が、不具者の観点から「充足した性の歓びとは何か?」を考究しているところが醍醐味。ふたりの共依存関係と自己実現から、アンモラルとデカニズムの美学を享受することができる。
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