豚

HK/変態仮面 アブノーマル・クライシスの豚のレビュー・感想・評価

3.3
パンティーを被ると超人的能力が目覚める超絶バカヒーローアクション第2弾。
前作から続く変態筋肉アクションっぷりはより磨きがかかり、鈴木亮平の体もさらに仕上がっている
予算が増えたおかげか、アクションシーンやCG演出は豪華になっており、見所も多い。
ただ若干演出の着地点がフラフラしていて、「そこもっと引っ張ってよ!」とか「そここんなあっさりいくの?」とか色々と消化不良な部分が増えた気がする。
前作はよくも悪くも製作陣が完全B級であることを十二分に理解して作っていたので、ある種勢いだけで突っ走る"パンクバンドの1stアルバム"みたいな初期衝動があったのだけれど、続編となる今作は"評価された映画である"という枠を意識しすぎて動きが重くなっている感じ。

とはいえド直球の少年漫画的笑いだとかコントを観ているような間の付け方とかは相変わらずで、館内も終始笑いが絶えず、そこは変わっていなくて安心した。
終盤でヒロインがパンツについてある行動を取るんだけど、それがもう館内爆ウケで自分も一緒に爆笑。
相変わらず鈴木亮平の体が素晴らしく、前作よりも仮面を脱いでいる時間が長いので、顔を仮面で隠すことから立ち上がる"騙されているのでは感"はかなり薄れた。

ただ……個人的に凄く引っかかったのは、ちょっとさすがに「スパイダーマン」を意識しすぎじゃないかなぁ、という点。
前作も意識していた節はあったけれど、今作はそれがちょっと露骨すぎて、オマージュというよりもアイデアがないから設定を借りたというように見えてくる。
もちろんある程度寄せているのは分かるし、だからこそ笑えるシーンもあるのだけれど、さすがにこれ以上やりすぎると本当にただの模倣作品になりかねないので、次回作(なんと三部作らしいっす)はその辺十分ケアして欲しいなぁ。
ラストシーンもね……分かる、分かるんだけど、そこすらもやっちゃうのか~、ていう。

もはや原作を遥かに超えた内容になっているので、未読だろうと一切問題ないです。
前作を観て楽しんだ方はほぼ間違いなく楽しめる内容になっています。
鈴木亮平の筋肉は本当に凄いです、彼なしではもはや変態仮面は撮れないだろうし、この作品にかける情熱がビシビシ伝わってきました。
そして今作の主題歌も、"謎の覆面"3人組エレクトロユニットCTSというお約束も忘れておりません。
曲も良かった!

タイトルが口に出しづらい人用に"HK"とついている本作だけど、ちゃんと変態仮面を見習って、チケット売り場の人に「変態仮面、1枚」と言うプレイしてきたぞ!
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