2019年、自然災害の多発に危機を覚えた18カ国が叡智を結集して開発した人工衛星による気候コントロールシステム「ダッチボーイ」。3年後、その元責任者で有事に承認なしにシステムを稼働した事で解任されたジェイク・ローソンが、度重なる異常気象発生の調査のため招集され反目していた弟マックスと解決に臨む様を描くSF災害映画です。
『インディペンデンス・デイ』シリーズら多くの大作映画に関わってきたディーン・デヴリンが娘の何気ない一言に気候コントロールの着想を得て制作した2017年公開の作品で、アクション映画界のスターであるジェラルド・バトラーを主演に据えて一億ドル超の大予算で制作するも2.2億を稼いで尚ペイできず、批評も散々な結果に終りました。
エメリッヒが散々やった荒唐無稽ディザスターの焼き直しで、地割れに始まる災害描写に監督名を思わず確認してしまいます。とはいえ焼き直しでも特殊映像の恩恵でそれなりに迫力はありますが、主軸にする取るに足らない気候コントロールサスペンスが邪魔していて、エメリッヒ災害映画から長所であるテンポの良さを差し引いた一作です。