鋼鉄隊長

ジオストームの鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

ジオストーム(2017年製作の映画)
4.5
梅田ブルク7にて鑑賞。

【あらすじ】
気象コントロール衛星が突如暴走。衛星により世界各地で異常気象が勃発する中、地球破滅災害「ジオストーム」を止めるべく人々が立ち上がる…。

 アメリカには偉大なディザスター(災害)映画が数多く存在する。『ツイスター』、『ボルケーノ』、『デイ・アフター・トゥモロー』等々。これらの作品を集結させるとどうなるか。この作品は、そんな夢のような妄想を現実にした超弩級のディザスター映画である。
 ここで重要となるのは、映画の中で描かれている異常気象は「自然災害」で無く「ディザスター映画」であるということ。ディザスター映画とは、思いつく限りの危機的状況を一気に見せつけることで、恐怖心を吹き飛ばしてカタルシスへ誘う映画ジャンルの一つ。災害にリアリティを求めるものでは無い。つまり、アホな映画なのだ。
 このアホな雰囲気を最大限に楽しむことができるのが、宇宙ステーション内部のコントロール室でのシーン。「東京上空の衛星が通信不能になりました!」との報告を皮切りに次々と災害が発生する。銀座に巨大な雹が降り、リオデジャネイロは凍結。ドバイを大津波、モスクワを大火、ムンバイを巨大竜巻が襲う。このシーンを観て、特撮好きなら間違いなく『ゴジラ FINAL WARS』を思い浮かべることだろう。このシーンだけでどれほど興奮したことか。
 そしてこの映画はそれだけでは終わらない。カーチェイスや、家族の再生を描いた人間ドラマ。ハリウッドの十八番である演出をたっぷり詰め込んでいる。
 脚本が稚拙、ツッコミどころ満載なのも含めて大変面白い。久しぶりにおもちゃ箱をひっくり返したような娯楽映画を観ることができて非常に嬉しい。欲を言うならもっとふざけても良かったという所か。
今回は字幕で鑑賞したが、B'zの歌う日本版主題歌を目当てに、吹き替えでもう一度観るのも良いかもしれない。声優には期待できないが、あの歌は絶対映画に合っていると思う。
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