いや、面白おかしい映画ではないです。でも見て良かった映画です。
葉書は切手を貼ってヒトラー総統に送りつける訳ではなく、街のあちこちにそっと置かれるのです。
計285枚。でも18枚は届けられてない。
この間、じわじわと息詰まる感じで話が進んでいくけど、みんなもう芸達者すぎて、ドイツなのに英語？ってでっかい違和感が、少しずつ消えていく。ほんの少しね。
やはり商業的なことを考えると、ヴァンサンペレーズと言えども、英語にしないとだめなのかしら。残念。
周りの人たちも良いんだよね。
ユダヤ人のお婆さんの達観した感じ、冷血判事の隠れた優しさ、威張り散らしたユーゲント青年の含羞、婦人会の居丈高な女性。
でもやはり刑事さんが全部持ってくよね〜。ナチのお偉いさんに殴り倒された時の愕然とした顔ったら。自分では絶対犯人じゃないってわかってる人を殺せと言われて殺せる自分に絶望したろうな。
そこに真犯人への尊敬？憧憬？申し訳なさ？複雑な感情があいまって最後の行動に行くんだろうね。
役者はみんないいし、話もいいのに、英語なのが本当に悔やまれる。ドイツ語っぽいアクセントにするのって、かえって安っぽい感じにならないのかしら。
