ユウゴ

ヒトラーへの285枚の葉書のユウゴのレビュー・感想・評価

ヒトラーへの285枚の葉書(2016年製作の映画)
4.0
舞台は第二次世界大戦中の1940年、ナチス政権下でのドイツ・ベルリン。街がフランスへの勝利で沸き立つなか、クヴァンゲル夫妻の元に最愛の一人息子が戦死したという知らせが届き、2人は深い悲しみに暮れる。程なくして、隣家のユダヤ人がゲシュタポの前で自殺する事件が起きる。政権への嫌悪を募らせた夫妻は政権批判をしたためたハガキを街の一画に置き残す些細な運動を始める。

これといって展開がなく、淡々と物語が進んでいくのに何故か観入ってしまう。むしろ、淡々としていてBGMもこれくらいの方が当時の"リアル"が垣間見えるのかもしれない。
当時は今のようにSNSもなく、匿名で発信することが難しい時代。三年に渡り、命がけで政権批判のハガキをばら撒いた夫妻と、それに心を動かされた数少ない誰かの想いに学ぶものは多かった。

終始、悲痛な気持ちが続くが、得るものや感じるものが多い作品である。