鳥さんの瞼

アスファルトの鳥さんの瞼のレビュー・感想・評価

アスファルト(2015年製作の映画)
4.7
淋しい。でも人肌程度の淋しさ。
奇妙さがこちらを柔らかく包む。


シュール。
暖かくはないが不穏でもない時間が流れる。

ユーモアもあり。
「ピンポーン(ドアチャイム)」「エホバの証人?」「NASAです(宇宙服)」は面白すぎ。


端正な画面。
冷たく見えて、不思議な湿り気。
ややくぐもったグレイッシュさ。

人というよりも場を見ている感じ。
「ホモ・サピエンスの涙」を少しだけ連想。


奇妙な出会いと交流を眺めていく。
少しだけの哀しさ、交歓を垣間見る。

充分な情報はないが、人々の背景を想像させる造り。
3つの物語とも淋しさが漂う。


結末はどれも劇的では無い。
その劇的でなさが切なくもあり、優しさにも思える温度。

ラストもなかなか変でしたが、
無常感を感じさせて個人的には好み。
静かな奇妙さに包まれる。


落ち込みたくは無いし、優しいものが観たいけど、
元気にもなりたくない、という時に良さそうです。
鳥さんの瞼

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