淋しい。でも人肌程度の淋しさ。
奇妙さがこちらを柔らかく包む。
シュール。
暖かくはないが不穏でもない時間が流れる。
ユーモアもあり。
「ピンポーン(ドアチャイム)」「エホバの証人?」「NASAです(宇宙服)」は面白すぎ。
端正な画面。
冷たく見えて、不思議な湿り気。
ややくぐもったグレイッシュさ。
人というよりも場を見ている感じ。
「ホモ・サピエンスの涙」を少しだけ連想。
奇妙な出会いと交流を眺めていく。
少しだけの哀しさ、交歓を垣間見る。
充分な情報はないが、人々の背景を想像させる造り。
3つの物語とも淋しさが漂う。
結末はどれも劇的では無い。
その劇的でなさが切なくもあり、優しさにも思える温度。
ラストもなかなか変でしたが、
無常感を感じさせて個人的には好み。
静かな奇妙さに包まれる。
落ち込みたくは無いし、優しいものが観たいけど、
元気にもなりたくない、という時に良さそうです。