ロビンソン

アスファルトのロビンソンのレビュー・感想・評価

アスファルト(2015年製作の映画)
4.8
この映画の何もかもが好き
この雰囲気に癒される(*´-`)

フランスのある団地
6人の男女が偶然に出会う
車イスの男性と夜勤看護師の女性
鍵っ子の少年と落ち目の女優
宇宙飛行士の青年と移民のおばあちゃん
それぞれの人生に彩りが加えられていく

この6人は共通することがあって、それは孤独っていうこと
でもそこで偶然の出会いがあって、孤独と孤独が繋がってまた何かが生まれていく様子をちょっとドライに、でもどこか温かく描いています
フランスらしいシュールさは独特な世界観を持っているけど、そのなかにも癒されるほど優しい温もりがあるので終始ニヤニヤしながら観てました笑

団地っていう場所は、隣に人がいるのに意外と関わりがないのかな
6人の男女の出会いは、3パートで分かれてるんだけど、それぞれのパートの人たちが繋がり合うことはないです
群像劇なので繋げてほしい人もいるんだろうけど、繋げなかったことで私のこの映画に対する好感度がものすごく上がりました
繋げないことこそ、この映画の良さが最大限に活かされているように思います

一人一人の人生は面白いようには繋がらない
その人なりの人生があって、他人からすれば何でもないことも、その人にとってはとても大きな出来事

人との出会いは意外なところであるのかもしれません
宇宙にいた人と突然知り合いになったり、車イスを使うことになって知り合いができたり、引っ越したおかげで知り合いができたり
ありえないことだと思います?
でも人生での出会いって、意外とこんなに不思議なものなんじゃないかな~って私は思ってます
そもそも知り合いになれるほど仲良くなれる人と出会うこと自体、とても難しいんじゃないかな
言葉が通じなくたって、歳が離れてたって、人と人は通じ合える
人生は一人で生きていくんじゃなくて、誰かと一緒にも生きていける

劇中の空はずっと曇ってる
でも曇りだから辛い訳じゃない
この曇りが晴れになるか雨になるか
人生なんて考え方次第
この曇りが晴れになるって思えば、きっと晴れになる
そのほうが幸せだと思いませんか?

遠くで聞こえる謎の音
でもその正体は意外と単純
辛いときは人生の意味なんて考えたりする
でももっと単純に考えよう
あなたの近くにいる誰かを思いやることこそ人生の意味なのかもしれない

初めからみんな孤独だからかな
みんな幸せになってほしいって心の底から思えるような映画でした
日常のちょっとした変化
人と人との繋がりが、お互いの人生にプラスに繋がる温かさが大好きです
やっぱり私はこういう映画が好きなんだなあ~ってしみじみと思いました

もう最初の車イスのおじさんの話で私の心は掴まれました