一つの団地とひとつのエレベーターを巡る人々の群像劇、密集して暮らす人々が引き起こす悲喜こもごも。淡々とほんわかと、でもところどころシュールでくすっと笑える感じ。観てすぐ大好きになった作品。
団地神話って日本特有のものかと思っていたけど(安野モヨコ的な世界)、オシャレの国おフランスにも息づいている人類共通団神話という不思議。
重厚に重なり合った雲空の下、偶然にそれぞれの人生が交差する。たいしたことは起こらないけれど、その出会いでそれぞれの人生がちょっとだけ変わる、そんな奇跡。
元女優と少年、
看護師と車椅子男、
おばさんとナサの宇宙飛行士。
さざなみのように寄せては引いていく温かい気持ち。人って愛おしいよねって、改めて感じさせてくれるようなとってもあったかい作品。
個人的にはおばちゃんが完全にツボ。突如現れたいかにもな宇宙飛行士にあなたエホバの証人?って聞くとか可愛すぎか。クスクスばっかり作ってるおばちゃんがどうしようもなく愛しい。
ちょっと不幸な看護師にテデスキがドンピシャの配役。いつも不機嫌なユペールもいい味出してるし、彼女と堂々渡り合ってのぞき穴の攻防を制した美少年が監督の息子と知ってびっくり。
これから何度も観るだろうお気に入りの1本。