【ネタバレなし】
ピンチを飄々とすり抜けていたアンジェリーナ・ジョリー版ララ・クロフトは、既に自分の記憶からも、彼女のアクションのごとくほぼすり抜けていしまっていて、最早まともに観たのかすら定かではない。
そんなこんなの、新ララ・クロフトのアリシア・ヴィキャンデルは、腹筋は割れていて、そこそこのアスリートではあるらしいのだが、おそらくSASUKE女性版KUNOICHIでは、2ndステージあたりで水没するレベルの設定変更。
つまり、作中の7割(感覚的な数値)占めるアクションシーンは、常に全力だがギリギリ、終盤に進むにつれ、身体中のいたるところが、擦り傷、怪我、アザだらけで、あれよあれよとボロボロになってゆく(笑)。
そして、アクションの度に、まるで全盛期のシャラポワのボールを撃ち返している防戦一方のプレイヤーのような、悲鳴に近い叫び声が、妙にセクシーだったりエロかったり。
しかも、父の形見で「不思議な力があるんだよ…」という、物語的にめちゃくちゃ伏線になりそうな物を、ある目的のためにアッサリ売り飛ばしてしまう「マジ?大丈夫か?この娘??」という、“うっかりドジっ子ちゃん”ぶりが、別の意味で物語上予断を許さないキャラに仕上がっている。
とにかく主演のアリシア・ヴィキャンデルの七転八倒する姿が、この映画の全て…なのかもしれない。
ストーリーの日本ネタ、確かに諸説存在し、決定的な部分は確定していないものの、あくまで詳細の違いということであり、大まかな史実はほぼ確定的と言ってもいいだろう。
日本人でなくとも、ちょっと検索すれば、数分で概要は掴めると思うのだが、どこをどう捻じ曲げれば、このストーリーに行き着くのか…
「面白ければOK!」と、目をつぶる覚悟満々の気分の限界を遥かにK点越えしすぎてしまって、逆に「もぉーどーでもいいか…」という気分にさせる作戦なのかもしれない。
香港から、マカオに行く感覚で日本に渡ってきているのも、その作戦に含まれるのだろう。
字幕で“魔の島”と訳されているものの、俳優は明らかにわざわざ発音練習したであろう日本語で、その単語を発しているのだが、字幕化しなかったのは翻訳家のせめてもの良心だろうか、或いは日本人としてのプライドか(苦笑)
そして、このトンデモ日本伝説が、きっと世界レベルで乱用されるようになろうとも、個人的には生暖かく見守り、この貧乏な私が、万が一何らかの奇跡で海外旅行などにいく羽目になった暁には、浅草の雷門の土産屋で買え揃えた旅支度で、サムライとして見参つかまつる覚悟!という気分にさせてくれるのだ。
合掌!!