アメリカンスニャイパー

トゥームレイダーファースト・ミッションのアメリカンスニャイパーのレビュー・感想・評価

2.9
『インディ・ジョーンズ』より親子の絆が薄く、『ナショナルトレジャー』より謎がない!?
次回作に不安が募るファーストミッション開始!

全く予告で語られなかった今回のターゲットは“Himiko”。卑弥呼!?
まぁ、墓だったらなんだってよかったみたいな脚本に感じた。

アンジェリーナ・ジョリー版でもそうだったように父と娘の関係が本作の柱となっている。が少し薄い印象。お父さんがいかに凄い冒険家だったか、謎解きやアーチェリーをロリララと共にやるシーンがあってもよかったと思う。親子でキャンプとかね。そうすれば「父はパズルが得意だった」「諦めないことを教えてくれたのはパパよ!」のセリフが効いてくるはず。
“クロフト家の責任”も匂わせておけばお父さんの覚悟も伝わりますし!
(すべて僕の勝手な妄想です...)
端的に言えばお父さんの活躍が無い。

あと本作では謎が全く無い。
お宝やターゲットといえば、他者に盗まれないよう暗号やトラップが仕込まれているのがお約束。それをヒーローが解いたり、回避したりするからスリリングになるはずなのに。
卑弥呼の墓へと通ずる門はカラクリが仕込まれていて閉じているが、ララはカラクリをすんなり解いてしまう。解いた方法、法則は描かれていない。客には全くわからないのでララのどこがずば抜けているのか伝わらない。墓への石扉も人が入って来ないように罠が仕掛けられているばずなのに、扉を開ける仕掛けがあるのは理解できない。墓泥棒に挑戦してどうする。
演出のための仕掛けとしか感じられずガッカリ。

キャラクターの造りも甘く、魅力に欠ける。
アリシア・ヴィキャンデルはララ・クロフトというよりは全編普通の女の子として見えて、そこは良かった。ラストにはちょっと強そうな女の子に成長したように見える。
自己防衛とはいえ孤島で初めて人を殺してしまった時、何とも言えない表情になるのだが、急に探してたパパが現れて台無しというシーンがあり演出に不満。
ララは劇中それぞれ違う人に三回もヘッドロックを食らう。段々と抜けられるようになるけど成長といえるのか?

ウォルトン・ゴギンズは安定の悪キャラ。秘密結社の小物という感じ。


歴史考証もなく、卑弥呼も神話上の女性で生物兵器扱い。
日本に行く話なのに日本人が1人も出ない。
わざわざ香港から太平洋側の日本の島に行く。日本から行けよ。
そもそも今の日本、領海侵犯が問題になっているのに他国からチャーター船で行くとか色々とこの映画リサーチ不足だぞ。
個人的には絶海の孤島の恐ろしい猛獣もキモい毒虫も出て来ないので不満(笑)
どれもこれも観たことある演出で真新しい画もカットもアクションも無かった。
歴史の勉強もできない、謎解き、スリリングもイマイチな映画でした。