サイクロプス

サイドウェイのサイクロプスのレビュー・感想・評価

サイドウェイ(2004年製作の映画)
4.0
冬でもビール星人な僕の周りには、なぜか自称ワイン通の人達が多い
ワインバー連れてかれて、ウンチクに付き合うこともしばしば

サイドウェイは、そのひとりから勧められた映画だ
米カリフォルニアを舞台としたロードムービー
作家志望で二年前の離婚から立ち直れない冴えない国語教師と、結婚を前にしてナンパに精を出す売れない俳優が、一週間の旅に出る(バチュラー・トリップとでも言うのだろうか)
で、国語教師がヲタなほどののワイン好き
男二人とワインを巡る、一週間の人生の「寄り道」が始まる

みるからに映像が古い
ほんの10年少し前の映画なのに古ぼけているといってよい
旅する車も80年代スターレットみたいにしょぼい
ワイン畑が広がるような田舎だから、建物は二階建てまで
車も人もまばらでのどかな風景が続く
低予算B級映画の匂いもする

その分、人間模様がしっかりと伝わる
冴えない国語教師は、前妻への未練たらたらで、目の前の恋に正面から向き合えない
ピークは過ぎてもイケメンな俳優はパンピー女相手にはめっぽう強く、女を漁り続ける
そんな二人の前を女性が表れては過ぎてゆく…

観終わって、ソファに深く沈みながら、ふーむ人生色々だなと感慨ふけってしまうような映画
勧めてくれたワイン通の友人に礼を言いたい
あんた映画の趣味もいいんだねと


名の知れた(と思われる)高級ワインが、ラベルをこれ見よがしにしながら次々と出てくる
ワイン好きの方なら、そんなところも楽しめると思う