最近まで上映していたアレクサンダー・ペイン監督の最新作「ダウンサイズ」を見逃してしまったので、ここは同監督の過去の傑作「サイドウェイ」をDVDにて鑑賞。
主人公マイルス(教師だが小説家志望。ワイン通。バツイチ)は親友のジャック(売れない俳優。女好き)の結婚前に、二人でカリフォルニア州サンタバーバラ郡のワイナリー巡りのドライブに出かける。
独身最後のひとときをワインとゴルフ三昧で楽しもうと思うマイルスをよそに、ジャックは結婚前に、女をナンパし「ヤりまくる」ことしか頭にない、といったストーリー(?)
マイルスとジャックの二人旅、ハッキリいって万年大学生(二人は大学時代のルームメイト)のおっさんがワインと女のことしか考えてない。
途中で出会う女性二人もバツイチ、と登場人物みんながスネに傷ありで、フレッシュさは皆無。
だけど、人生の酸いも甘いも噛み分けた彼ら彼女らだからこそ、惹かれ合うのもまた良し。まさに人生もワインも時間を重ねて熟成したからこそ味わい深いってもんだ。
そして、人はいくつになっても、恋ができるんだと実感。(だけど、浮気はアカンよ)
また、マイルスは常に「俺はダメだ」と、自己肯定感ほぼゼロ状態。そんなに自分を責めるヒマがあるなら、ゆっくりでも寄り道でもいいから、小説でも書いて、人生1歩ずつ前に進もうや、と言いたくなる。
一方、ジャックも結婚前にあんな無節操なナンパはアカンでしょう。女好きにも程がある。
あんなウソがバレたら、そりゃ女にボコボコにされるのも無理はない。自業自得。
でも、マイルスに比べて、人生前向きで自分に正直に生きているのには好感が持てる。
(女性はそう思うか疑問だけど)
あと、誰もがハッピーエンドを期待したラストシーン、まさかあんな終わり方だとは。
あの後が気になるー!
まるで、人生、先はどうなるか分からないけど、何もせず動かないよりは、前に進んで人生のドアをノックした方がいいでしょ、ってことか。味わい深いね。
本作、派手さはないけど、観終わった後にじわりじわりとココロに響く、まさに大人のドラマ。人生に少しばかり疲れたときに観たら、ダメな自分も少しは許せるかもしれませんね。
追記
それにしても、本作で突然出てくるベッドシーン描写、あまりにもえげつない(笑)
特に後半、フルチンで追っかけてくるオヤジには驚いた(大爆笑)