ひげしゃちょー

ブラック・スワンのひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
4.8
容姿も美しく踊りは完璧なのに男を誘惑するような情熱が足りないと言われ悩むニナ。 ニナが自分を捨てきれずにいるのは自分の夢を娘に託した過保護な母親のせいもあるのだ。 主役になりたくて一念発起して色仕掛けで演出家のトマに迫るが自分を捨てきれない。キスされた際に唇を噛んでしまう始末。 それが功を奏して主役に大抜擢。 しかし、そこからが悲劇の始まり。 男を誘惑するようなエロスを醸し出すために帰ったら自慰をしろと言われ試みるが母親の影がチラついてエクスタシーを感じるまでできない。 ある日、ニナとは正反対の情熱的で男好きそうなリリーというダンサーとバーにいきハイになる薬を飲まされる。 今までにない程大胆になりリリーとレズセックスをするという幻覚まで見て、ついにエクスタシーを感じることができる。 しかし、その頃にはプレッシャーで精神が錯乱してしまっていた。 初日ははたして迎えることができるのか…。 といった内容。 何が現実で何が幻覚がわからなくなるような演出は凄い。ヒントは出しているもののそれが現実か幻覚かの答えは提示しない。 背中を掻きむしったら黒鳥の羽が生えてくるカットは『ザ・フライ』を思い起こした。 そして、何と言ってもラストの白鳥の湖。あれだけ固かったニナがあれほど魅力的に踊れるんだもの。