こたつむり

ブラック・スワンのこたつむりのレビュー・感想・評価

ブラック・スワン(2010年製作の映画)
3.2
深海の奥深くに引きずり込まれていく感覚を味わえる一品。
呼吸を忘れないように注意してください。初見でおなかが一杯。佳作。

どんな世界でもトップレベルを維持することは言葉にできないくらいの努力が必要なのでしょうが、ひたすら本作品では張りつめた空気が場を支配しております。
稽古場でも、家でも、地下鉄でも、街の中でも、出てくる登場人物、登場人物、全ての存在が!主人公に抑圧を掛けてきます。ぎゅうっ、というレベルではないです。ぐちゃっ、というレベルです。なので、常に画面のトーンは重苦しく。スポットライトですら輝きには見えませぬ。

なに、この緊張感。
ウサギならばとっくにストレス死してますよ!

観ている側も主人公の気持ちに引っ張られてしまいますからねえ。序盤からボディブローがひたすら続いて、気付けば胃の中身はすべて出し切っているかんじ。
そんなときに迎えるクライマックスは苦しくて、切なくて。

というわけで、本作品を快適に観たい方は、五体満足、心身ともに健康な時に限りますよ。
あと、重苦しくても潰されない自信がある方限定ですな。
僕はもう無理。
この文章を書くために二回目を観返そうとしましたけれど…。いや、本当、ごめんなさい。
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