この監督は本当にドSな追い詰め方をするなぁ。
その場所で輝こうともがく人物を描いている点では「レスラー」の兄妹みたいな作品なのかもしれない。
「レスラー」が輝かしい存在であるために堕ちないよう踏ん張る人だったのに対して、こちらは輝かしい存在であるためにひたすら堕ち続ける人が描かれるからよりキツかった。
序盤から骨の浮き出た背中や身体についた傷で如何に追い詰められているか分かるが、そこに嫉妬やセクハラや重圧やらとにかく精神攻撃に容赦なくて、ニナが一人でいるシーンになるたびに緊張が走る。
その精神衰弱ギリギリのところにドラッグも加わってからの展開は圧巻で、ナタリーポートマンの狂演とボディホラー的な演出も相まってかなりカオス。
オチも「レスラー」同様に何とも背徳的なカタルシスがある。
母親や意中のコーチ、憧れの先輩や仲間など、周りの大人達への行動で少女から大人の女性に進化する過程を描いているのも良かった。
