一人のダンサーががんばりにがんばりすぎて行き着くところまで行くお話。葛藤を抱え続けるバレリーナ役のナタリー・ポートマンの気合いの入った苦しさと美しさに息が詰まります。
飲み食いするシーンや吐くシーン、トイレのシーン、自慰行為のシーン、そして鏡のシーンなど、"白"から"黒"への成長の過程をフロイトの小児性欲やラカンの鏡像理論に露骨になぞらえているあたり、深いような浅いような気恥ずかしいような。
ひねりのきいた内容に見えて、最終的に直球ど真ん中のスポ根エンターテイメントとして成立させており、派手なわかりやすさとつい語りたくなるオタク演出の含ませ方がニクいです。エヴァのようなバランス感。
なにが怖いって、ウィノナ・ライダーが出るたびとにかく恐ろしい映画でした。さすが。