不死鳥の川

婚約者の友人の不死鳥の川のレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
3.8
戦争で婚約者を亡くし悲嘆に暮れる女性のもとに、ある日彼の友人を名乗る男が現れたことから思いもよらない真相を知ることとなるサスペンス・ドラマ映画。

2022年117本目。

フランソワ・オゾン監督5作品目の鑑賞です。本作はオゾン監督によくある現実と幻想が入り混じって真実をぼかすタイプの作品ではなく、仕掛けはあるものの王道の作風でした。

モノクロとカラーの対比とその意味がわかった時の、一気に真相に接近していく加速感はなかなかスリリングで、この辺りの巧さはオゾン監督の面目躍如といった感じ。運命のいたずらに翻弄されたアンナの悲痛な胸の内を推し測って何とも言えない気持ちになります。

サスペンス要素とヒューマン要素のバランスも絶妙で、彼の作品の中でも特に好きな作品となりました。
不死鳥の川

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