kazu1961

婚約者の友人のkazu1961のレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-254
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋先日鑑賞したルビッチの傑作『私の殺した男』、そのルビッチに敬意を表してフランソワ・オゾンの感性で描いたリメイク版『婚約者の友人』、感性豊かなエモーショナルな作品に仕上がっていました。

🖋前半部分はモノクロ映像の中で悲しみにくれる透明感が美しいヒロイン、アンナ(パウラ・ベーア)の視点で描かれています。眼前に現れた亡き婚約者の友人のフランス人は一体何者なのか?サスペンス的な演出も交えながら、ルビッチの原作通りに物語は進んでいきます。

🖋しかしながら後半部分は一転、オゾンの感性は素晴らしいですが、それがメロドラマの領域に昇華。。。これはこれで美しい物語なんですが、戦後の無情さや贖罪を描いたオリジナルの名作とは少し違う作品になってしまったのが残念です。やはり戦争の傷跡を鋭く描いた前作を超えることはできませんでした。。。それでもモノクロの画像が色付く演出、ヒロインの内的変化によって画面が仄かに色づく感性には拍手でした。

🖋またオリジナルのシンプルで明解なエンディングと違って、仄かな曖昧さと余韻を残すエンディングもオソンの感性なんでしょうね。。。

🖋本作、フランソワ・オゾン監督がエルンスト・ルビッチ監督による1932年の反戦ドラマをミステリー色を強めてリメイク。第一次大戦直後のドイツとフランスを舞台に、戦争で婚約者を亡くしたドイツ人女性と、そんな彼女の前に現われた亡き婚約者の友人だという謎めいたフランス人青年との心温まる交流と、青年が抱える秘密と葛藤を、モノクロとカラー映像を織り交ぜミステリアスなタッチで描き出しています。

😢Story:(参考: allcinema )
戦後間もない1919年のドイツ。戦争で婚約者のフランツを亡くし、悲しみから立ち直れずにいるアンナはある日、フランツの墓の前で泣いている見知らぬ男性と出会う。アドリアンと名乗るその青年は、フランツと戦前のパリで知り合ったと明かす。フランツとの思い出話を聞き、2人の友情に心癒されていくアンナ。最初は敵国の人間と抵抗感を抱いていたフランツの両親も、アドリアンの人柄に触れるうち、いつしかこの息子の友人を温かく受け入れていくのだったが…。

🔸Database🔸
・邦題 :『婚約者の友人』
・原題 :『Frantz』
・製作国 : フランス・ドイツ
・初公開 : 2016
・日本公開 : 2017/10/21
・上映時間 : 113分
・受賞 : ※※※
・監督 : フランソワ・オゾン
・脚本 : フランソワ・オゾン
・原作 : ※※※
・撮影 : パスカル・マルティ
・音楽 : フィリップ・ロンビ
・出演 : ピエール・ニネ、パウラ・ベーア、エルンスト・シュトッツナー、マリー・グルーバー、ヨハン・フォン・ビューロ

🔸Overview (参考:映画. com )🔸
「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、エルンスト・ルビッチ監督作「私の殺した男」の原作としても知られるモウリス・ロスタンの戯曲を大胆に翻案してオリジナルストーリーとして昇華させ、モノクロとカラーを織り交ぜた美しい映像で描いたミステリードラマ。1919年、ドイツ。婚約者フランツをフランスとの戦いで亡くしたアンナは、フランツの両親と共に悲嘆に暮れる日々を送っていた。ある日、アンナは見知らぬ男がフランツの墓に花を手向けて泣いているところを目撃する。アドリアンと名乗るその男は戦前のパリでフランツと知り合ったと話し、彼が語るフランツとの友情に、アンナもフランツの両親も癒やされていく。アンナはアドリアンに次第に惹かれていくが、実はアドリアンはある秘密を抱えていた。アドリアン役に「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネ。「ルートヴィヒ」のパウラ・ベーアがアンナ役を演じ、第73回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。
kazu1961

kazu1961