ごてふ

婚約者の友人のごてふのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
3.8
銀座シネスイッチにて。フランソワ・オゾンの新作に場内お上品なご婦人中心に20名強と閑散。マダムはおフランス映画がお好き。2000年の≪焼け石に水≫以来、全作リアルタイムで劇場鑑賞しているが、オゾン作品には落胆したことがない。30歳そこそこで≪まぼろし≫のような繊細にして複雑を作品を撮って巨匠の風格。職人的な技巧も併せ持って常に何がしかの挑戦をしている映像作家だと思ふ。偶々5月に渋谷のシネマヴェーラでルビッチ特集あり、オリジナルの≪私が殺した男≫を再鑑賞していた。ほぼ一世紀前の第一次世界大戦後を時代背景にしたのは同じだが、視点を女性中心に変えたのは如何にもオゾンらしい。建物や調度備品など往時を再現できるロケーションが残っているのが欧州映画の強みだろう。衣装や小道具、サウンド・トラックも洒落ている。クラシカルなよろめきモノで終わらせないところもニンマリ。最後のセリフなど現代的な凄みがある。女性はやはりシタタカである。
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