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婚約者の友人のSPNminacoのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
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ヒッチコック風演出のミステリーと身構えて、戦死した婚約者の謎めいた友人の正体やモノクロとカラーの切り替えの意味をあれこれ推理してしまったが(シャマラン的オチまで想像した)、ただ謎解きで終わる訳でなく、一筋縄ではなかった。ドイツとフランス、亡くなった彼と生き残った彼、嘘と真実は一見鏡合わせに映し出されるものの、実は非対称なのが興味深い。また、我が子を犠牲にした責任は父親(男性)にあるとしたり、殺されるか自ら死ぬかの選択にはオゾンの姿勢が伺える気もした。
とはいえ、ヒロインに次々降り掛かる不憫なジェットコースター展開が、まるで朝ドラを観てるような感じもして。最終的にあいつの印象が大きく変わり、嘘も方便がやるせない結末に(但し、フランスではそれを選べる、と解釈できるような)。主演パウラ・ベーアとピエール・ニネはとても良かった。
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