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婚約者の友人のchipのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
4.2
静かなカフェの片隅で
文学小説を読んでいるような気分だった。

モノクロ映像に、時折柔らかい色彩の映像が入る。彼女の気持ちが高揚したシーンなのか…

風にそよぐ葉の音が聞こえるから、春が好き~とアドリアンに語るアンナ。
その頃から彼に好感を持っていた気がする。

終戦後のドイツを訪れたアドリアン。その訳は…
真相を知ったアンナが彼を許すまでの時間、彼の手紙に返事を書くまでの時間、ここですれ違ってしまったふたり。

彼らが交わすさりげない会話、決して核心には触れないが…双方の気持ちが痛いほどわかって切なかった。。

マネの「自殺」の絵の前で、生きる希望を感じる、と言った彼女。
今までの自分を捨てて、やり直したかったのだろうか?
新しい生き方ができるといいけど。
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