みとも

冷たい熱帯魚のみとものレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
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 個人的に非常に印象深い一作。公開時に一度見ただけなのにかなり詳細に覚えていた。自分は吹越満の「人生は痛い」という台詞に納得したのだと思っていたが、今見るとむしろそのような親(上の世代)からの“メッセージ”さえも嘲笑する娘=梶原ひかりの方に感情移入していたのかもしれない。リアルな感情の機微を描く(いわゆる「人間を描く」的な)のであれば娘は急に一転して悲しみ出しそうだけど、父権主義という呪いや家族という牢獄の消滅に痛快さを自分も感じていたのかな、と思う。ドスの効いた声で恫喝する黒沢あすかさんが凄かった。本作に限らずこの監督のセクシズムは自分事としても問い直したい。
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