【『アイリッシュマン』🇮🇪では「ペンキを塗る」行為が、今作『冷たい熱帯魚』では真逆で、「透明にする」行為のことです。】
『葛城事件』が自分には良かったこともあり、それに似ている映画として今作『冷たい熱帯魚』が挙げられていたので観ました。
でも、これは自分が観るべきではなかったです。
まして、晴れた休日の午前中に観るべき映画では絶対になかったです。☀️
本来ならfilmarksでは映画の内容の備忘録として記録しているんですが、
残酷描写に関しては記憶から早く消したいぐらいなので、ここでは何も書きません。🤯
※今回もかなりネタバレします。
未見の方は読まないことをオススメします。
あと、18歳未満の方はこのレビューを読むのは自由ですけど、映画本編は観ないで下さい。🙇🏻♂️
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【園子温監督の演出は“基本的には苦手”です。】
園子温監督作品はオムニバス映画の『クソ野郎と美しき世界』を除けばこのfilmarksでは記録していませんが、長編映画は
『愛のむきだし』
『ヒミズ』
『希望の国』
『地獄でなぜ悪い』
の4作品をこれまで観てきました。
どれがどうとは言いませんが、主人公が走って終わる映画が多いですね。🏃♂️
そしてファンの方には申し訳ないんですが、少なくとも“今の自分が“観たい映画のタイプじゃ無いんです。
ただでさえ暴力描写が苦手なのもあるんですが🔪、
“抽象表現”というか、
”実験的な描き方”というか、
”型破りな演出”を求めていません。
園子温監督作品を観た人なら言いたいことは分かると思います。
それでも『愛のむきだし』や『ヒミズ』は観た当時は好きだったんですが、とにかく
・序盤から普通のウェルメイドな映画じゃないことを理解して観るべき点や
・鑑賞後にどっと疲れる点
は今作も含めて5作品に共通しています。
そしてこの『冷たい熱帯魚』🐠も鑑賞後の疲労感はナ・ホンジン監督の『チェイサー』を観た時以来かもしれません。😫
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【でんでんさんと吹越満さんの演技には文句無しです。】
良かった点を挙げていくと、
①冷凍食品をテンポよく買い漁ってあっためて、食べ終わったら食器洗浄機をスイッチオンのくだりですぐに冷め切った家族関係が分かるのはうまいと思いました。
②あと、地味に血なま臭い仕事が終わった後にコーヒーで一服するのが嫌でした。☕️
③それと、そもそも元の事件は犬🐕なのに、熱帯魚🐠という設定に置き換えたのも良かったです。
なんか、普通の犬のペットショップよりも、熱帯魚店って鳴き声もないし、なんか殺風景に見えました。
④何より、でんでんさんと吹越満さんの演技力はすごいと改めて思いました。
同じ年に『あしたのジョー』🥊の伊勢谷友介さんがノミネートされていて応援していたんですが、
今作のでんでんさんの日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞に関しては、しかたない気もします。
でんでんさんの饒舌ぶりは見ていて引き込まれますし、吹越満さんのビクビクした感じもうまいです。
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【リアリティを感じなかったです。】
ただ、残酷描写を抜きにしても、今の自分には合わないと感じた部分も少なくないです。
Wikipediaによると、1993年に実際に起こった埼玉愛犬家連続殺人事件をモデルにしているのに、リアリティがなさすぎました。
❶「こんな奴、いるか‼️」って人たちばっかりで、そこで映画に対して前のめりに観ることが出来なくなったのはあります。⤵️
スーパーにでんでんさんが現れた時点で、なんなら駐車場にフェラーリがある時点で、胡散臭さがプンプン漂っているので、奥さんや娘があっさりとでんでんさんを信用する意味が分かりませんでした。🤷🏻♂️
あと、吹越満さんも“家族を想って“っていうのも、警察に通報しない動機としては弱いです。いつでも通報するチャンスはあったはずですしね。🚨
あと警察も30人もいなくなっているのに捜査しているのが少人数の刑事さんってのは絶対にないと思いました。🕵️♂️
❷不必要な性描写も気になりました。
基本的に園子温監督作品は無駄にエロいシーンがありますけど、
今作に関しても、事件と関係なく社本の奥さんが元々胸元を開けた感じで、あっさりでんでんさんに寝取られた気がしました。
それに、あんな若い女性ばっかりの熱帯魚店があるんでしょうか❓
そこもリアリティが無くて、胡散臭いです。
❸でんでんさんや吹越満さん、渡辺哲さんら男性陣の演技に比べて、
なぜか女優さんの演技が全員、下手に見えました。
そこで、”いかにも作りもの”って印象を受けたのかもしれません。
『ダークナイト』のジョーカー🃏や、
それこそ『葛城事件』のあの家族もそうですけど、
「世界のどこかにあんな人が本当に実在するんじゃないか❓」と思って観ていましたけど、
今作は実話ベースなのにリアリティを感じませんでした。
❹でんでんさんの饒舌な台詞回しは見ている分には面白いですけど、🐌
「異常な犯罪者に生き方を説教される」のって、他の映画でも観てきたのでかなり既視感がありました。
そこも含めて、今の自分には刺さらなかったです。
❺『愛のむきだし』のボレロといい、園子温監督はクラシック音楽もよく起用するみたいですが、ラストでクラシック音楽が流れるあの描写は意味がよく分かりませんでした。🌎
「つまらない」とは言いませんが、「嫌い」な映画です。😖