小一郎

リベリアの白い血の小一郎のレビュー・感想・評価

リベリアの白い血(2015年製作の映画)
3.7
公開初日に福永壮志監督の舞台挨拶付きで鑑賞。ドキュメンタリー風のドラマで、先進国が一次産品に依存する途上国から搾取する実態を告発する内容なのかと思ったけれど、西アフリカ・リベリアの男が懸命に生きる姿を描くという趣旨で、リベリア政府公認の映画組合と共に制作できたらしい。

リベリアとアメリカを舞台としたアフリカ移民の物語。主人公のシスコがリベリアのタイヤメーカーのゴム農園で働く様子が描かれる前半、タクシードライバーとしてニューヨークの生活に順応していくものの、元兵士のジェイコブと出くわしリベリアでの忌々しい過去を掘り返される。

リベリアのゴム農園の労働環境が苛酷であること、リベリアの人はアメリカに行けば何とかなるという雰囲気があること、過去の内戦により心に傷を負っていることなどが描かれている。

移民の姿を通じてリベリアの抱える問題がわかるものの、淡々としていて見ごたえという面ではやや物足りないかもしれない。ゴム農園、内戦のどちらかを単独で掘り下げたものの方が自分の好みだった気がするけれど、リベリア政府の撮影協力を得るため、それらの問題を深堀しにくいという事情があったのかな?

なお、この日は短編映画『Notes from Liberia』の上映もあった。2013年にリベリアで本作撮影中に重度のマラリアに感染し、ニューヨークの自宅で亡くなった撮影監督の村上涼氏の未完のドキュメンタリーを福永監督らが再編集したもの。

タイヤメーカー、ファイアストン所有の農園内の様子をとらえた貴重な映像らしい。本作のリベリアでの様子は、このドキュメンタリー映像と結構重なる。ドキュメンタリーの方はファイアストンに雇用されていない家族も手伝わないとノルマを達成できないことも描かれているなど、もっと見たくなる映像だった。

●物語(50%×3.5):1.75
・テーマはとても惹かれる。ゴム農園問題、内戦の傷跡のどちらかに絞ってじっくり見たかったかも。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・シスコ役の方がなかなか。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・映像の構図とか良かったような気がする。

●お好み加点:+0.2
・短編のドキュメンタリーが良かった。