リベリアの白い血の作品情報・感想・評価

リベリアの白い血2015年製作の映画)

Out of My Hand

上映日:2017年08月05日

製作国:

上映時間:88分

3.7

あらすじ

リベリア共和国のゴム農園で働くシスコは過酷な労働の中で家族を養っていた。仲間たちと共に労働環境の改善に立ち上がるが、状況は変わらない。そんな時シスコは従兄弟のマーヴィンからニューヨークでの生活のことを聞き、より良い生活のために愛する家族の元を離れ、自由の国アメリカへ単身で渡ることを決意する。NY のリベリア人コミュニティに身を置き、タクシードライバーとして働き出したシ スコ。移民の現実を目の当…

リベリア共和国のゴム農園で働くシスコは過酷な労働の中で家族を養っていた。仲間たちと共に労働環境の改善に立ち上がるが、状況は変わらない。そんな時シスコは従兄弟のマーヴィンからニューヨークでの生活のことを聞き、より良い生活のために愛する家族の元を離れ、自由の国アメリカへ単身で渡ることを決意する。NY のリベリア人コミュニティに身を置き、タクシードライバーとして働き出したシ スコ。移民の現実を目の当たりにしながらも、都会の喧噪や多種多様な人々が住むこの地に少しずつ順応していく。しかし、元兵士のジェイコブとの予期せぬ再会により、リベリアでの忌々しい過去がシスコに蘇ってくるのだった…。

「リベリアの白い血」に投稿された感想・評価

小一郎

小一郎の感想・評価

3.7
公開初日に福永壮志監督の舞台挨拶付きで鑑賞。ドキュメンタリー風のドラマで、先進国が一次産品に依存する途上国から搾取する実態を告発する内容なのかと思ったけれど、西アフリカ・リベリアの男が懸命に生きる姿を描くという趣旨で、リベリア政府公認の映画組合と共に制作できたらしい。

リベリアとアメリカを舞台としたアフリカ移民の物語。主人公のシスコがリベリアのタイヤメーカーのゴム農園で働く様子が描かれる前半、タクシードライバーとしてニューヨークの生活に順応していくものの、元兵士のジェイコブと出くわしリベリアでの忌々しい過去を掘り返される。

リベリアのゴム農園の労働環境が苛酷であること、リベリアの人はアメリカに行けば何とかなるという雰囲気があること、過去の内戦により心に傷を負っていることなどが描かれている。

移民の姿を通じてリベリアの抱える問題がわかるものの、淡々としていて見ごたえという面ではやや物足りないかもしれない。ゴム農園、内戦のどちらかを単独で掘り下げたものの方が自分の好みだった気がするけれど、リベリア政府の撮影協力を得るため、それらの問題を深堀しにくいという事情があったのかな?

なお、この日は短編映画『Notes from Liberia』の上映もあった。2013年にリベリアで本作撮影中に重度のマラリアに感染し、ニューヨークの自宅で亡くなった撮影監督の村上涼氏の未完のドキュメンタリーを福永監督らが再編集したもの。

タイヤメーカー、ファイアストン所有の農園内の様子をとらえた貴重な映像らしい。本作のリベリアでの様子は、このドキュメンタリー映像と結構重なる。ドキュメンタリーの方はファイアストンに雇用されていない家族も手伝わないとノルマを達成できないことも描かれているなど、もっと見たくなる映像だった。

●物語(50%×3.5):1.75
・テーマはとても惹かれる。ゴム農園問題、内戦の傷跡のどちらかに絞ってじっくり見たかったかも。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・シスコ役の方がなかなか。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・映像の構図とか良かったような気がする。

●お好み加点:+0.2
・短編のドキュメンタリーが良かった。
想い出の映画。
伝えたいことはわかる


こういう系の映画は初めて観た。

ゴム農園で不利な条件のもとで働く現実や、移民がどんなものなのかというのがなんとなくわかった。

労働者がストライキしても奥さんは賛同しなかったり、結局なにも変わらなかったり、リアル。
アメリカに行ったからと言って楽になるわけでもない、祖国の亡霊から逃れることもできない。祖国の亡霊が何のことか分かったとき、納得してしまった。

考えさせられる映画ではあったが、おもしろくはない。
リベリアのゴム農園をはじめとする風景、ニューヨークの街、どちらも美しい映像だった。

リベリアで主人公シスコの息子がゴムのサンダルを履いて嬉しそうにしている。シスコはそれを見て、その材料のゴムはお父さんがとったんだということを教える。でも誰がサンダルを作ったの?

ニューヨークでのラスト、仕事道具のタクシーのタイヤ交換をするシスコの背景に夜明けの太陽。映画冒頭のリベリアのゴム農園の夜明けとリンクして、場所が変われど彼の辛い労働が変わらずに続いていることを示唆する。ゴムの樹液がタイヤに変わった、だがそれはOut of my handなのだ。おそらくゴムの樹液をタイヤに変えた労働力もどこかでシスコと同じような思いをしているという示唆を受けたようにも思う。
30分ぐらい寝てしまい、いつのまにかアメリカへ行ってた。いつか見返そう。

2017年映画館鑑賞
鰯

鰯の感想・評価

3.8
リベリアのゴム農園で働くシスコ。改善されない労働環境に不満はありながらも現状が変わる気配はない。そんな折、アメリカで生活する従兄弟のマーヴィンから話を聞き、シスコにも転機が訪れる。

映像がすごい。これだけでも観ている価値がある。色味もよく、1つを取り上げられないほど素晴らしい映像だった。自然の映し方は幻想的でさえありました。ゴムの木々が映ってるシーンは、何故かとても惹かれた。それから、洗車をするシーンで出てきた赤が印象的でした。
シビアなものがたりだけど、序盤は笑えるシーンもあり、均整がとれていました。ストの場面で明らかになる男女の関係性には思わず笑ってしまいました

後半に現れる「亡霊」と終盤の展開には驚くこともあったけれど、ラストも良かった。彼はこれからも前に進むしかないんだろうなあ。
見た後にポスターのキャッチコピーをもう一度読む
リク

リクの感想・評価

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2018,7本目
パンフで補完する必要あり
よー

よーの感想・評価

3.0
映し出されるニューヨークの摩天楼は、巨大な塊の集合体でしかなく、なんとも不気味な雰囲気を醸していた。
リベリアのゴム農園の従業員から大都会のタクシー運転手になって、お客相手に母国での生活の過酷さを嘆く主人公。“リベリアでは日の出前に起きて、日が沈んでも働くんです。”と。
タクシー運転手も一緒じゃん、とは本人も聞き手も誰も言わない。口に出さずとも明らかだからだ。

大人になってからの夢や期待は、子供の頃の無邪気なそれとはカタチも中身も当然変わる。
“それでも何か変わるんじゃないか”というくたびれきった期待が、行き着く場所はどこなんだろう。
harukapi

harukapiの感想・評価

3.5
リベリアのゴム農園での労働環境と生活、ニューヨークでのタクシー運転手としての出稼ぎ生活、そしてリベリア内戦の記憶。主人公の瞳が印象的な映画だった。リベリアでのシーンの、女性達が列になって歌いながら歩いていくシーンと、静かに佇むゴムの木の映像が(哀しいけども)美しかった。
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