モリユウキ

青春残酷物語のモリユウキのレビュー・感想・評価

青春残酷物語(1960年製作の映画)
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世の中に対する怒りに若く矮小な個人が閃光のように燃えるも、最後はこれでもかというくらいに敗北していくのマジで青春残酷物語ってタイトルすぎるな。
安保闘争の様子をそのまま撮影に使うロケ手法や、刹那的で退廃的な男女模様は『勝手にしやがれ』なんかとの共通項とも言え、確かにヌーヴェルヴァーグっぽい。ATGぽいオルタナさがありつつも、メジャーも守備範囲みたいな絶妙具合が、初めて観る大島渚作品として良かった気がする。
話し中の受話器に泣きながら語りかけるところ、林檎をかじるところ、別れを突き付けられて渋谷をさまよう様子などなど、良い画面も多くてとても見ごたえがありました。