TAK44マグナム

テイキング・オブ・デボラ・ローガンのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.3
オカルト版「怪奇!吸血人間スネーク」
・・・かもしれない。


認知症のお婆ちゃんを記録映像に残すため撮影していたら、どう考えても認知症とは関係ない超能力お婆ちゃんになってきたもんでビックリ仰天しちゃうという、POV方式のホラー映画。


認知症に伴う様々な影響を調べるため、大学の研究員ミアは仲間とともにデボラというお婆ちゃんのもとを訪ねます。
デボラは拒否しますが、娘のサラは助成金のため半ば強引に密着取材を承諾しちゃいますよ。
最初の頃こそ良好な関係を築けていた両者でしたが、映像を撮り続けていると段々おかしなことが目立ちはじめ、突然デボラがスタッフに襲いかかり、恐れをなしたスタッフが逃げ出す事件が起きたりして不穏な感じがビンビンにしてきます。
そんなこんなしているうちに、調べてゆくとどうやら過去に起きた連続少女殺害事件がデボラの奇行に関係しているらしい事がわかってくるのでした。


ホラーやサスペンスの新たな潮流となりつつある「その高齢者、凶暴につき」にカテゴライズされる一作ですね。
なにやらトチ狂ってしまったお婆ちゃんが瞬間移動したり、ヘビ人間になったりするのを主観映像で追い続ける90分一本勝負。
途中から認知症じゃ説明つかない症状が発現しまくるハイパーお婆ちゃんに手を焼きつつ、化粧っ気のない娘のサラが(なんで名字がコナーじゃないのか分からないぐらいに)タフな女戦士みたいになって「ママ!ママ!」と戦いを挑むのです(←ちょっと誇張)!

映像撮ってるミアたちなんて、もはや認知症が関係ないのは明白なのに連続殺人犯のことを調べたり、サラと一緒に鉱山に突入したりと、自分の仕事をはるかに逸脱した活躍を見せてくれます。
貴方たちは一体何をやってるんでしょうか。

まあ、怖いっちゃ怖いし、ボケてるのかと思ったら憑依されてましたよ!と言うアイデアが光りますけれど、個人的にあまりPOVが好きではないのもあってそこまでハマれませんでした。
後半になるとブレたり、ノイズなどのエフェクト以外にも真っ暗になってしまったりするので、確かにごまかしが効くのは作り手側からすると有効なのでしょうけれど、たんに観えづらいだけの様な気がします。
画面の小さなiPhoneで観た自分も悪いのですが、見たいものがちゃんと見えないのは正直ストレスでした。

それにしてもデボラは可哀想。
あんまりお婆ちゃんを苛めるものじゃありませんよ。
お尻もバッチリ見えちゃうし(汗)

なんとなく嫌〜な空気のラストがとても意味ありげ。
変化球のオカルトものを観たい時のチョイスに適した一作ですね。


NETFLIXにて