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テイキング・オブ・デボラ・ローガンのkuuのレビュー・感想・評価

3.7
『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』
原題 The Taking of Deborah Logan.
製作年 2014年。上映時間 90分。
アルツハイマー患者の老女を取材する学生たちが想像を絶する恐怖に見舞われる姿を描いたオカルトホラー。
『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガーが製作に名を連ねる。

医大生のミアと仲間たちは、アルツハイマーと診断された老女デボラとその娘サラの生活を取材するため、バージニア州の田舎町を訪れる。
女手ひとつでサラを育て上げたデボラは聡明で意識もはっきりしていたが、ミアたちの滞在中に急激に症状が進行し、奇怪な言動が目立つようになっていく。
突如として凶暴化し包丁を振り回したり、自らの皮を剥いだり、背中におぞましいアザが浮かび上がったりと、アルツハイマーだけでは説明のつかない現象に恐れおののくサラとミアたちだったが。。。

この番組構成は基本的に前半が事件や事故など、後半は日本国内と海外の感動のエピソードを送る(嘘ですので)『奇跡体験!アンビリバボー』(通称:『感動のアンビリバボー』・・・なんかじゃなくてっ、そんなん観てる安っぽさが始終ある。
しかも、感動もナッティング・ヒルじゃない無し。
とりあえずその始終、婆さんの底気味悪いのと、狂った果実のような(狂った果実ってどんなんかな?イヤらしい感じじゃなくて)、時のイカれっぷりを見せられる映画。
アルツハイマーにしちゃ薄気味悪さがあり、なんかなぁって思たら、家の中のポルターガイスト現象。
昔起こった悪しき怪しい事件とねっとり絡んで、話は徐々に光を帯びてくる真実と陳腐に加速していく。
この展開の最後は見事にB級ホラーへ高速転落爆発してくれよった(ただ安価なスリルやホラー映画の同じ無限の決まり文句を使用していない)。
色々、目を瞑って仏心で見りゃ素直に面白い(いや、個人的には面白かったし再視聴したんやけど)。
しかし、どうもリアリティのあるアルツハイマーって病気を全面に出してるし、実際そのご病気で苦しんでる人たちを思い起こし、申し訳ないやら(何故こんな気持ちになるんか考えなきゃならないけど、また、作中アルツハイマー病は脳スキャンによってほぼ確実に診断でき、脳スキャンによって病気の進行も診断できると述べとるのは誤りで、アルツハイマー病は、死後の剖検によってのみ確実に診断することができるん。)。
それに不遜ながら不気味さが強くて、段々とホラー要素も濃くなる中盤でクソ映画の香りがしはじめてきた。
たしかにハっラハラしてよかった部分もあり映画を否定的にはとらえてない。
婆さんの名演技も認める。
しかし、アルツハイマーの患者さんがおられる家庭の人たちとこの映画を観れるかっていったらNoやね。
名演技なんは、瞬きもせんとじっち見つめてる婆さんの表情は(アナ・デ・アルマスなら嬉しいが)、迫真の演技ですごかった。
また、襲い掛かってくるんちゃうかと構えて(ファイティングポーズ)しまった感じがハっラハラする(ビビってんねんやぁ)。
何を考えとんのかわからんイってもうてる人ほどある意味、幽霊とかより怖い。
ホラー要素部分は、がかなりチープやしあまり好きちゃう設定やった。 
アルツハイマーや、儀式、殺人の隠蔽工作、憑依et ceteraと内容に欲張り感がある。 
なぜ家の中を歩き回る婆さんを認知症とは云え、電気消して小声で話す必要あんのんやって(ゾンビや『ドントブリーズ』の盲目のジジイじゃあるまいし)、まぁ◯◯に◯◯てるの分かんのまだ先やのに。
んで、下手にPOVで逃げんと、普通に撮って欲しかったかも。普通に勝負せいや!聖闘士星矢ペガサスのように♪
今作品は、一見、普通に自然に見える映画で始まり(アルツハイマー病の初期から中期にある女性を記録する大学院生)、この『自然』(ナチュラル)から『超自然』(スーパーナチュラル)への転落が比較的早く起こり、張り詰めたサスペンスと効果的なジャンプスケアが全編にわたって構築されている。
カメラの使い方もまぁ効果的で、登場人物の体験が観てる側と同じタイミングで展開される。
このような状況で非常にありそうな台詞が的確に添えられてた。
ジル・ラーソンはこのユニークな主役を巧みにに演じていました。
アン・ラムジーも素晴らしく、彼女のサラ・ローガンはアンチヒーローになりうる要素があったかな。
プロット上の弱点は多少あるものの、今作品は非常に効果的に展開されてたし、『ファウンド・フッテージ』モノが好きな方にはより楽しめるんじゃないかな。
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