1960年のキリスト降誕祭の日に生まれたザック
母親はこの子は特別な子だと信じ込む
「俺に似ている」が口ぐせの父親はザックを男らしく育てようとする
ザックは平凡なキリスト教徒の中流家庭で両親に愛されて育ったが父の思い描く理想像から外れていく
ザックは彼を形成する要素の一つである性的指向がマイノリティというだけで普通じゃないと言われる
父に愛されたいがために自分自身を押し殺さなければいけないザックの葛藤がつらい
ザックのことを愛しているが自分が変われないことをわかっている父親もまた葛藤している
子の個性を尊重することも“愛”だけど、生きづらい困難な道を避けて楽に生きてほしいと願うのもまた親の愛
時代がもう少し進めばお互いもっと楽に生きられたのにね
家族愛というありふれたテーマだけど、教会で浮遊したり母親との霊的なシンパシーなど妄想と霊性を織り交ぜたポップな演出が面白かった、展開が重くならないのも好み
ミサでのストーンズ、部屋で熱唱するボウイ、父親が愛するパッツィー・クライン、そのレコードジャケットから見つけたものなど音楽の使い方もかなり好き
親子の愛、そして兄弟の愛、CRAZY の意味がわかった時は泣いた