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鉄コン筋クリートのyongzuoのレビュー・感想・評価

鉄コン筋クリート(2006年製作の映画)
4.5
あんしん、あんしん

松本大洋原作漫画の映画化作品。

自分が映画を好きになるキッカケとなった作品。それも、この作品を観てではなく。
他の映画を観に行った際に、最初の予告で流れた本作の予告を見て
‼️‼️‼️観たい‼️‼️‼️
と強く思った。しかし、当時小学校低学年だった自分は1人で映画を観に行くだけの経済力💰もなく。親にもなかなか言い出せないまま月日が経って…
今思ってもこれほど強く「観たい!」と思った作品は後にも先にもこれ1つ。

まず、最初に絵に引き込まれた。同じアニメーション映画でも細田守や新海誠の描くリアリティのある絵とは違い、荒々しいタッチの感じがする特徴的な絵。松本大洋の漫画『ピンポン』🏓にも共通する独特な顔や本作の鍵ともなる"宝町"の街並みは本当に漫画が動いている様。
その"宝町"のどこか懐かしさを感じさせる色味や雰囲気に昭和の街🗼を感じた人は自分だけでは無いと思う。昭和の街と言われてすぐに思いつくのが山崎貴監督の『ALWAYS 三丁目の夕陽』とおそらく自分と同じ世代なら誰しもトラウマになったであろう原恵一監督の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の二本。どちらも昭和の昔懐かしい雰囲気を醸し出すも、未来や発展に対して肯定的で希望に満ち溢れた『ALWAYS 三丁目の夕陽』に対して、開発や変化に否定的な『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』。本作はどちらかといえば後者寄り。実態の見えない"こどもの城"計画による再開発にネコと呼ばれるこどもたちやヤクザが不信感を抱く。その不気味さも鮮やかなのにしっかりと表現しちゃうあたりさすがだよね。

そして、声優もいい。蒼井優と二宮和也。女優とアイドルの起用に話題性を求めているような気もするが、意外と良い。クロのぼやいている様なのに意思の強さが伝わる言葉や、幼さが抜けてないのに心にスッと入ってくる様なシロの言葉が物語にあっていた。ねずみの死んだような話し方も っぽくて良い。

内容も自分は好き。シロとクロの友情。個人的にはヤクザのねずみが好き。外人の監督にしては義理と人情の宝町にはびこるヤクザを上手く描けてたと思う。「女房、子供は大切にな…」ってかっこよすぎるよねずみ

色々書いてたら長くなっちゃったけど、好き嫌いの分かれる作品だとは思う。独特な絵に見てられないって人もいると思うし、まず、アニメ映画は見ないって人にもオススメはできない。でも、好きな人は自分みたいにハマる映画🎬
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