叡福寺清子

フリークス・シティの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

フリークス・シティ(2015年製作の映画)
3.6
人間とヴァンパイアとゾンビが共存する街ディルフォード.互いの種族への不平はあるものの奇妙なバランスで均衡が保たれている街,それがディルフォード.ただしゾンビは「脳みそ」最優先.そんな時ディルフォードにエイリアンがやって来たからさぁ大変.人間はヴァンパイアの陰謀と,ヴァンパイアは人間の謀略と対立を深め,ついに暴動に.そんな時でもゾンビは脳みそ最優先.醜くも愉快な闘いの幕が今上がる!まさにその時エイリアンの襲撃が!!
前半は学園モノ.ヒエラルキーがあり,嫌な教師あり,両親との不仲あり,騙されるヒロインあり,意味深な両親の発言やら,で伏線はバッチシ.
後半各種族から一人ずつ3人が寄り添い,襲撃から逃れエイリアンの撃退法を探る.前半だけに飽き足らず,ここでも伏線広げ始める.おいおい,大丈夫か.回収無理なんじゃねのと心配になったが,大丈夫!脚本が実に素晴らしいのだ.ネッドのフライ・トラウマやらダグのとーちゃん(オデンカーク!!)の発言の真意なんて,感動すら憶えちゃったよ,あたしゃ.
メインキャラの一人ネッドは理系ヲタなんだけど,アメリカイズムな父親やいけ好かないヴァンパイア教師のせいで学校にも自宅にも居場所がなくって思い悩んで,何も考えなくても生きていける(?)ゾンビに自らなっちゃうあたりは正直泣けてくる.
それでも最後はみんな揃ってUSA!USA!って連呼して勝利しちゃって,ジョックもナードもゾンビもアメリカ人はアメリカが本当に好きなんだなぁと染み渡る作品でもあった.