悪魔の毒々クチビル

フリークス・シティの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

フリークス・シティ(2015年製作の映画)
4.5
人間、吸血鬼、ゾンビが共存する街ディルフォード。
ダグは何とかしてビッチなローレライとヤれないものかと悶々の日々を送る。
ペトラは吸血鬼のチャラ男に騙され、自らも吸血鬼になってしまう。
ダグの友人であるネッドは、自分の人生にうんざりして自ら進んでゾンビに噛まれ彼らの仲間入りを果たす。
そこにある日エイリアンが襲来。
「こうなったのは奴らのせいに違いない!」とそれぞれの種族ごとに対立し、エイリアンそっちのけでそのまま殺し合いにまで発展してしまう。
ダグ(童貞)、ペトラ(吸血鬼)、ネッド(ゾンビ)の3人は互いに協力して生き延びようとするが…
''Holy…'' ''Fucking…'' ''Brains?''


かなり好きなホラーコメディです。
「人間と吸血鬼とゾンビが共存する街にエイリアンがやってくる」というプロットの時点で最高ですが、一番魅力的だったのはデルフォードの住人達でした。

ダグ達三人だけでなく、サブキャラも滅茶苦茶面白い。
独特の緩~いテンポで会話するダグの両親。
野球一筋を拗らせ過ぎたネッドの兄と父親。
会話する知能はあるものの、発言や思考の99%が脳ミソ関係なゾンビ達、等々。

そして個人的に一番のお気に入りなのが吸血鬼の教師、ケラー先生。
ちょいちょいストーリーに関わってきますが、主な出番は序盤の職員休憩室でのシーンです。ここがめっちゃ面白いんです。
ネッドが小論文について質問しにやって来るや否や「職員休憩室。職員、休憩室。いいか?私がいるのは、職員、休憩室だ。」と、食い気味で言う所も笑えたんですが、その後他の休憩中の教師達に向かって
「ドーナツがない!!ドーナツ全部喰っちまったのか!?ええ!?」と壁をバンバン叩きながらぶち切れるシーンが本当に大好きです。
この映画を観るときは、毎回ここのくだりだけ何度も巻き戻して観てるくらいツボに入りました。
ここは特に英語音声で観ると尚更良いです。
Don't you dare. Don't you fucking dare. 
アァンビリイイバボオオオ!!!!

で、つい最近知ったんですけど、このケラー先生を演じたキーガン=マイケル・キーって「ザ・プレデター」のルーニーズの一人だったんですね。
「お前のお袋、誰とでも寝るんだってな!ひゃっはー!!」的なことを言ってたテンション高いハゲですね。

正直言うとこのケラー先生にドはまりしてしまった俺は、最初彼の魅力を量とか考えずに徒然なるままに書いていたら、それだけで他の映画一本分紹介してる時の長さになってしまったので流石に削りました。

基本的にこの映画のギャグはほぼ全部俺のツボにクリティカルヒットしているので、観ている間はずっと笑顔になれる素敵な作品ですよ。
まぁ、笑いのツボって皆全然違うからあまりハードルは上げたくないんですけどね。

ゴアはゾンビの群れに腸を抉り出されたり、吸血鬼が心臓を刺されて弾け飛んだりとベタなやつがちゃんと用意されています。
そういった場面ですら笑いに変えてしまう徹底具合も良きかな~。

ここまで褒めまくっていますが、ちょっと残念だった所も。
観る前は「もし吸血鬼がゾンビに噛まれたらどうなるのか」とか、逆に「吸血鬼にとってゾンビの血は猛毒だから万が一摂取してしまったら、物凄い死に方をするのかな?」とか想像していたのですが、そこに関しては一切言及されていなかったです。
結構気になる人いたんじゃないかな?
いや分からんけどね。

でもやっぱりケラー先生が最高だから、そんな不満も気にならないのであった。